グリフィスについて

グリフィススタジオの目的は二つ。その一つ目は入念な脚本・演出・キャストによる丁寧なドラマによる映画製作です。クオリティ徹底重視主義によって作品を創ることを念頭としており、入念なリハサーサル、カメラテストを経た上でのクランクインを基本としています。繊細で高いレベルのドラマ(映画)製作を行おうとした時、役に臨む俳優が作品と役のイメージを明確にしそれを演技として具現化出来る手応えを得るまでの時間が必ず必要になります。

こうした作業をテキスト(シナリオ)だけ渡してクランクインまでに俳優個人の作業にのみ任せるというのは映画産業が世界的に抱える大きな問題点の一つです。

グリフィススタジオの作品創りはクランクインからでは無く、顔合わせの時点から始まり監督、キャスト、スタッフが共に行う入念な準備期間から始まる事になります。

二つ目の目的は映像特有の繊細で微妙な演技が出来る俳優の育成です。これは、アップに耐えうるだけの繊細でリアルな感情描写が出来る事、作品に対して広い視野を持って演技に臨める事、想像性と感覚を重視する事によって演じれる役柄を広げられる事の三つを念頭に置いています。加えて、基礎(呼吸・発声・滑舌・重心の把握とコントロール)については徹底的に行います。日本の映画・演劇史の中で俳優のトレーニングと演技が現在ほど軽んじられている時代は無かったと言えます。殆どの俳優は基礎トレーニングを初心者が行う物と愚かな誤解を行い、向上しない技量をキャリアを重ねる事によって出来た舞台度胸によってのみカバーしようとする傾向があります。

その結果、キャリアを重ねた俳優であっても「何を演じても同じ」という創造性の欠片すら無い型芝居が映画・演劇界を蔓延しています。せっかくデビュー出来たのに短い期間で消えていってしまう俳優たちの多くもこと事が原因である場合が多いといって良いでしょう。

演技とは極めて総合的なものであり、度胸と勘だけで名演を生み出せる程甘いものではありません。演技を学ぶという事は教習所に行って自動車免許を取るという程簡単では無いのです。グリフィスでは「名演を生み出す事が出来る俳優の育成」を大前提を置いてレッスンを行っていきます。